山のあなた カール・ブッセ 『海潮音』より
山のあなた カール・ブッセ 上田敏(うえだびん)
山のあなたの空遠く
「幸さいはひ」住むと人のいふ。
噫ああ、われひとと尋とめゆきて、
涙さしぐみ、かへりきぬ。
山のあなたになほ遠く
「幸さいはひ」住むと人のいふ
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声に出して 読みたい 音読に ドイツの詩人 カールブッセCarl Hermann Busse の 山の あなた が あります・・山の あなた の あなた は 貴方や 貴方 の ことでは なく彼方 の ことを さしています。カールブッセは、ドイツでの評価は 日本ほど 高くないのですが これは 訳詞が 良く 教科書でも 取り上げられており 日本では有名 評価が 高い作品です。
声に出して 読みたい 論語 ろんご
吾十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑はず。五十にして天命を知る。六十にして耳順ふ。七十にして心の欲する所に従いて、矩(のり)を踰(こ)えず
論語は どれも リズムと 切れが あります。
徒然草 (つれづれぐさ) 吉田兼好
清少納言の『枕草子』、鴨長明の『方丈記』と合わせて日本三大随筆の一つと評価されている 吉田兼好の徒然草 (つれづれぐさ)
つれづれなるまゝに、日ぐらし硯に向かひて、心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書き付くれば、あやしうこそ物狂ほしけれ。
夏目漱石 坊っちゃん 吾輩は猫である
夏目 漱石(なつめ そうせき)の )『坊っちゃん』『吾輩は猫である』『草枕』も リズムの良い文章の1つ 冒頭の書き出しが あまりにも有名。
『坊っちゃん』
親譲(おやゆず)りの無鉄砲(むてっぽう)で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰(こし)を抜(ぬ)かした事がある。なぜそんな無闇(むやみ)をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談(じょうだん)に、いくら威張(いば)っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃(はや)したからである。
『吾輩は猫である』
吾輩(わがはい)は猫である。名前はまだ無い。
どこで生れたかとんと見当(けんとう)がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。吾輩はここで始めて人間というものを見た。しかもあとで聞くとそれは書生という人間中で一番獰悪(どうあく)な種族であったそうだ。この書生というのは時々我々を捕(つかま)えて煮(に)て食うという話である。しかしその当時は何という考もなかったから別段恐しいとも思わなかった。ただ彼の掌(てのひら)に載せられてスーと持ち上げられた時何だかフワフワした感じがあったばかりである。掌の上で少し落ちついて書生の顔を見たのがいわゆる人間というものの見始(みはじめ)であろう。この時妙なものだと思った感じが今でも残っている。第一毛をもって装飾されべきはずの顔がつるつるしてまるで薬缶(やかん)だ。その後(ご)猫にもだいぶ逢(あ)ったがこんな片輪(かたわ)には一度も出会(でく)わした事がない。のみならず顔の真中があまりに突起している。そうしてその穴の中から時々ぷうぷうと煙(けむり)を吹く。どうも咽(む)せぽくて実に弱った。これが人間の飲む煙草(たばこ)というものである事はようやくこの頃知
体の力を抜いて 音読をはじめましょう・・・肩や肩甲骨のまわり を リラックスさせます。手(肩)をぶるぶるんと 回してみるのもオススメです。恥ずかしい という気持ちが 強いと 息が 上手く出てきません・・声に 張りを持たせるために 呼吸を意識し す〜っは〜〜っとしてから 始めるようにすると 上手く 音読が しやすくなります。張りのある 大きな声が 出るようになると 自分でも 驚くくらい 発声の仕方が 変わってくるはずです。
松尾芭蕉の俳句
松尾芭蕉の俳句も 覚えやすい句が多いです。気に入った俳句を 何度か 繰り返すようにしましょう。
- 古池や蛙飛びこむ水の音(ふるいけや かはずとびこむ みずのおと)
- 名月や池をめぐりて夜もすがら(めいげつや いけをめぐりて よもすがら)
- 夏草や兵どもが夢の跡(なつくさや つわものどもが ゆめのあと):岩手県平泉町、以下五句は「おくのほそ道」より
- 閑さや岩にしみ入る蝉の声(しずかさや いわにしみいる せみのこえ):山形県・立石寺
- 五月雨をあつめて早し最上川(さみだれを あつめてはやし もがみがわ):山形県大石田町
- 雲の峰いくつ崩れて月の山(くものみね いくつくずれて つきのやま):山形県・月山
- 荒海や佐渡によこたふ天河(あらうみや さどによこたう あまのがわ):新潟県出雲崎町
- 花の雲鐘は上野か浅草か(はなのくも かねはうえのかあさくさか):東京都
- 初しぐれ猿も小蓑をほしげ也(はつしぐれさるもこみのをほしげなり):三重県伊賀市
- 月さびよ明智が妻の話せん(つきさびよ あけちがつまのはなしせん):福井県坂井市
- 旅に病んで夢は枯野をかけ廻る(たびにやんで ゆめはかれのをかけめぐる):辞世、難波(大阪市)
音読は、言葉の素晴らしさを 口に出し 耳で 味わうこと・・ドモリや 吃音で お悩みの方にとっては、苦手な分野かもしれませんね。。しかし 声に出す事によって 音読は、なめらかに すべらかに 発声できるようになってきます。1回より3回 3回より 5回と 黙読するより 音読します。最初は 下手でも脳が じょじょに 活性化されます
ういろう売りの台詞
ういろう売りの台詞は、歌舞伎役者の 長い台詞で 苦い薬を うるときに お口治しの お菓子が 評判になったらしい・・歌舞伎役者は、おなかを使って 息をして 一気に この 芸を見せていきます(聞かせていきます)
最近は、アナウンサーの教材としても 使われている ういろう売りの台詞 何度も 繰り返すうちに 舌の動きが なめらかになります。
清少納言 枕草子
春は、あけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは 少し明りて紫だちたる雲の細くたなびきたる。
夏は、夜。月の頃はさらなり。闇もなほ。螢の多く飛び違ひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。
秋は、夕暮。夕日のさして、山の端(は)いと近うなりたるに、烏の寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさへあはれなり。まいて雁などの列ねたるがいと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はたいふべきにあらず。
冬は、つとめて。雪の降りたるはいふべきにもあらず。霜のいと白きも、またさらでも、いと寒きに、火など急ぎ熾して、炭もて渡るも、いとつきづきし。昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も、白き灰がちになりて、わろし。
平家物語 祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらわす
おごれる人も久しからず
ただ春の世の夢のごとし
たけき者も遂には滅びぬ
偏に風の前の塵に同じ
暗誦や 暗記は、小学校 中学校のうちに どれだけ インプットできたかによって 決まってきます。不思議なもので 小学校 中学校時代に 覚えた 音読は、30歳になっても 40歳になっても 50歳になっても 言えるものなのです。言葉が 体の一部になっているというか・・朝食べた朝食のメニューや 人の名前は ド忘れしても 不思議と音読で 覚えた文章は、反復で 覚えているせいか 身体の中に 叩きこまれるんですね。九九と 同じような 感じで 身体に 埋め込まれます。これを 30代で 挑戦 しようとしても 40代で 挑戦しようとしても 脳みそが いささか錆びているため なかなか 頭に入りません。若いうちに 何度も 何度も 繰り返しましょう。どもりや 吃音に 悩みが ある方も リラックスして 少しずつ 繰り返すようにしてみましょう。確実に 前進します。
高村光太郎 道程
道程 高村光太郎
僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る
ああ、自然よ
父よ
僕を一人立ちにさせた広大な父よ
僕から目を離さないで守ることをせよ
常に父の気魄を僕に充たせよ
この遠い道程のため
この遠い道程のため
暗誦するコツは、何度か 繰り返すこと・・さらに 音読が 終わったら 手や紙で 隠し 一行ずつ 読み上げていきます。
そうすると 全部は、暗誦できなくても 部分 部分は、頭の中に インプットされていることが 確認できると思います。苦手な部分 つまづく部分が 決まってくるので そこを 重点的に 繰り返すようにします。もともと 得意な部分は 容易に 口に出せるはずですし 苦手な部分さえ克服すれば あとは 簡単に暗記してしまうことができます。